語りの部屋

2024.8.15

若者による相互理解・交流促進事業 事前研修会

8月6日、平和記念式典後の資料館東館にて、広島市が公募して選ばれた5名の高校生・大学生の方に「原爆の子の像と六年竹組の仲間たち」のお話をしてきました。

 

昨年締結された平和記念公園と米国パールハーバー国立記念公園との姉妹公園協定に基づいて、広島の若者とパールハーバーの若者が現地の文化や歴史などについて幅広く学び、交流を行う事業が実施されるそうで、その事業に参加される方々が、パールハーバーに行く前の事前事業として、私のお話を聞かれました。

 

パールハーバーでは、佐々木禎子さんの生涯を伝えている若者ボランティアの方々と交流をされるそうで、私のお話が若い方々を通して、パールハーバーの方にお話が伝わっていくということを大変うれしく感じました。

 

折り鶴ノートのお話もさせていただき、皆さん分の5冊と、パールハーバーの方へお渡しいただく用の50冊をお預けいたしました。

 

 

参加された方から感想をお話いただいたので、その一部をご紹介致します。

 

<感想> ※一部抜粋

『小学生の頃に一度お話を伺ったことがあるのですが、(高校生になり)今いろんなことが分かってきた中でお話を聞いて感じたものは、私の中で違いがありました。小学校の時よりも理解が深められました。』

 

『私達学生もこれから平和への思いを世界中に伝え続けなければいけないなという覚悟をもつことができました。

そして、生きたくても生きれなかった人たちの思いを受け止めないといけないと感じました。』

 

『被爆者の方々のお話は何度か聞いたことがあったのですが、被爆後の広島に焦点が当てられたものを聞いたのは初めてでした。原爆が投下された後に友達が亡くなるという経験は、被爆時に亡くなるのと同じくらい辛い経験だっただろうなと思うし、それを伝えるという活動をされているということに平和への思いを感じました。

自分自身被爆3世なので、ハワイの現地の高校生に原爆の恐ろしさを伝えて、平和に繋げていきたいと思いました。』

 

これらの感想を受けて、下記のように私の感想をお話させていただきました。

『広島の学生は小学生の時に戦争について学んでいるのですが、それで終わっていることが多いように思います。ですが、市の方でこのような場を提供されて、こうしてみなさんがまた再度平和学習に挑戦してハワイへ役割を持って行かれるということで、更に平和に対する思いも深まることと思います。平和を考えるというのは、まず、知ることから始まると思います。知ってそれをどう伝えるか。今日のみなさんの感想を聞いてとても心強いなと感じました。』

 

 

その後、市の方から下記質問を頂いたので、回答させていただきました。

Q. 世界中から注目されて続けている「原爆の子の像」の前に今川野さん自身が立って、どんな風に感じていらっしゃいますか?

 

A. この像は原爆で亡くなった子どもたち皆のための像ですが、正直なところ私達六年竹組の心の中では「佐々木禎子さん」でしかありません。その禎子さんが結果的に世界的に知られるようになり、またこのように講話をするようになって、こうなったことに対する責任を強く感じるようになりました。語り部をずっとしてきていますが、時には体調が悪かったりすることもあって講話ができない時もあるのですが、そんな時に「禎ちゃんの悔しさには比べ物にならない」といつも思うんです。「あの時の禎ちゃんに比べたらこれくらいのこと何ともない」と比べながら生きてきています。皆さんが像に目を向けてくださって、世界でも知られることとなったことには感謝しかないし、禎子さんもきっと喜んでいると思います。